すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~
最近ではお酒を提供する『calanbar』という新事業が成功を収め、外食チェーン全体が厳しい中、業績は右肩上がりの優良企業。
新卒として入社後、二ヶ月の研修を経て店舗統括部に配属され、三年間様々な店舗を回って現場を学んだ。一昨年の九月からはエリアマネージャーとして複数の店舗の管理を担っている。
入社六年目の二十七歳。自立した女性になりたいと一心不乱に仕事に打ち込んできた。一定の評価を得たし、やり甲斐も感じている。
けれど周りを見渡せば、結婚や出産をしている同期や後輩も少なくない。それが幸せのすべてだとは決して思わないけれど、漠然とした焦りを感じる年頃だった。
金曜日の夜。今週はあいにくの天気が続いており、今日も朝から雨が降っている。
雨の日はどれだけ必死にヘアアイロンをあてても会社に着く頃には湿気でうねってしまうので、ギリギリ肩につく長さの黒髪は後ろでルーズにまとめ、ゴムが見えないようにポニーフックをつけてそれらしく見えるようにしていた。
ある程度長さがあればうねる髪ももう少し扱いやすいけれど、美咲は決してロングヘアにはしないと決めている。
今日は本来ならば担当店舗の店長と副店長と三人で面談の予定だったが、体調を崩したためリスケしたいと連絡があった。それならば久しぶりに定時で帰ろうと、パソコンの電源を落として会社を出る。