すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~
(家にあるもので夕飯作れるかな。たしか冷凍した豚肉と玉ねぎがあったから……)
美咲は冷蔵庫の中身を思い浮かべ、手軽に作れるレシピを考える。一週間くたくたになるまで働いたラストに、雨の中スーパーに寄るのは辛い。できれば簡単に済ませてしまいたかった。
帰宅ラッシュの電車に揺られること三十分。ようやく最寄り駅に着く。
桜の散った四月中旬、日中は春らしい気温だったけれど、日の落ちた時間帯はまだ少し冷える。雨が降っているのでなおのこと肌寒く感じた。
美咲は今、駅から歩いて五分の場所にあるマンションに住んでいる。会社の同僚であり、一年ほど付き合っている矢口悠輔の部屋で、結婚を見据えて半年前から一緒に暮らし始めた。
美咲は暗証番号を打ち込んでエントランスのオートロックを開けると、エレベーターで五階へ向かう。
(悠輔、もう帰ってるかな)
悠輔も美咲と同様、店舗統括部でエリアマネージャーをしている。今日は朝から店舗のヘルプに入り、そのまま直帰する予定だと言っていた。
(今日は遅くなるから夕食は別々でお願いしておいたけど、久しぶりに一緒に食べれるかも)