すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~

今日は連休中日の平日だが、やはり休みを取っている人が多いのだろう。通常以上に混み合っていた。

店内をぐるりと見回すと、パントリー内で困った顔をしながらドリンクを作る女性スタッフが目に止まった。美咲はすぐに彼女のもとに行き、声を掛ける。

「大丈夫?」
「すっ、すみません。新規のオーダーとアフターの催促が一気に来てしまって……」

胸の名札には『トレーニー 葛西』と書かれている。一ヶ月前に新しく入ったバイトの大学生だ。

基本的に新人であるトレーニーには『トレーナー』という教育係がつくはずなのだけど、彼女の周りに誰もいない。

申し訳なさそうに頭を下げる葛西を制し、オーダー伝票に目を通す。

「新規はパフェとのセットだからまだ時間に余裕あるし、まずは食後のカフェラテを先に作っちゃおうか。ロイヤルミルクティーの牛乳だけ先に温めておいてくれる?」
「はい」
「慌てなくても大丈夫。まずは丁寧に、美味しくね」

美咲が笑顔で告げると、彼女もホッとした表情で頷いた。

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