【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!
「ど、どういうこと!? わたしはメイジー? いや、メイジーって誰なのよ!」
自分で言っておいて自分で突っ込んでしまった。
けれど自分が今、記憶にある『杏珠』ではないことは確かだ。
そこでズキンと頭が痛んで額を押さえた。
『メイジー・ド・シールカイズ』
彼女は悲劇の脇役だった。
第一王女で悪役のジャシンス・ド・シールカイズに婚約者を取られてしまい、国宝を盗んで売ろうとしたという罪を被せられて島流しに合う王女だ。
彼女は無口で暗くて何も言えずに、いつも下を向いて部屋にこもりきりだった。
それは幼い頃からジャシンスに虐げられ続けた結果だった。
その理由は単純でメイジーが自分より美しいことが気に入らなかったからだ。
彼女たちは母親が違う。
メイジーの母親は元々体が弱く、メイジーを産んで暫くして亡くなったと聞いた。
彼女の形見だという指輪がたった一つの繋がりだった。
けれどメイジーの美しさに嫉妬した王妃とジャシンスの嫌がらせが始まった。
陰湿な虐めに耐えられずメイジーはすっかり人間不信となってしまう。
それからはずっと部屋に閉じこもったまま……。
彼女は『役立たず王女』、そう呼ばれていた。