楽になりたい





私は最低だ。





雪乃を友達と言っておきながら、自分の身に起きなくて良かったと思っている。





スマホが壊れていて良かったと思っている。





自分自身を傷つけるほどに苦しみ、涙を流す彼女を見ながら心のどこかで他人事のように考えていた。





彼女が鬱病になってくれたおかげで先生がいじめに気づいてくれたと感謝すらしていた。





「……終わりだよ」





一度気づいてしまったらもう終わり。





蓋をして閉じ込めていた気持ち。





その感情と正面から向き合ってしまったら、もう二度と前の私たちには戻れない。





雪乃は、私がこんなこと思っているなんて考えもしないんだろうな。




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