崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
2.これが、私なのだから④
「お疲れ」
保存が完了したことを確認し、ふぅ、と一呼吸置くとソファの前にあるローテーブルに温かいコーヒーがことりと置かれる。ふわりと香るコーヒーのいい香りにホッと息を吐いた。
「淹れてくれたんだ?」
「俺ののついで」
ついで、と言った高尚もさっきまで仕事をしていたテーブルではなくソファへと腰かける。とは言っても私の隣ではなく斜め前、ソファの角の方だった。
「隣に座ったらいいのに。こっちの方が広いわよ?」
「邪魔しちゃ悪いからさ」
邪魔しないように、と少し遠くに座るくせに私の座っているソファで休憩をする高尚にくすりと笑みが零れる。
(休憩ならさっきまでいたテーブルでもできるのに)
距離を取りながらも近くにいるというその姿が、まるで撫でられたくないくせに飼い主を視界に入れておきたいという猫の習性のようでちょっと可愛く見えた。
猫と違うのは、ここで構うと嫌がるフリをするが本心からは拒絶しないということだろう。むしろ本当は構われたくて来ているまでもある。
保存が完了したことを確認し、ふぅ、と一呼吸置くとソファの前にあるローテーブルに温かいコーヒーがことりと置かれる。ふわりと香るコーヒーのいい香りにホッと息を吐いた。
「淹れてくれたんだ?」
「俺ののついで」
ついで、と言った高尚もさっきまで仕事をしていたテーブルではなくソファへと腰かける。とは言っても私の隣ではなく斜め前、ソファの角の方だった。
「隣に座ったらいいのに。こっちの方が広いわよ?」
「邪魔しちゃ悪いからさ」
邪魔しないように、と少し遠くに座るくせに私の座っているソファで休憩をする高尚にくすりと笑みが零れる。
(休憩ならさっきまでいたテーブルでもできるのに)
距離を取りながらも近くにいるというその姿が、まるで撫でられたくないくせに飼い主を視界に入れておきたいという猫の習性のようでちょっと可愛く見えた。
猫と違うのは、ここで構うと嫌がるフリをするが本心からは拒絶しないということだろう。むしろ本当は構われたくて来ているまでもある。