怜悧な裁判官は偽の恋人を溺愛する
「私を指名してくれるお客様とはまるで正反対のタイプだから……頑張らなきゃ」
歴が長くなると、指名客も自ずと増えてくるのだが、やはり美容部員の性格によって得意なお客様のタイプも異なる。
例えば美香の場合は、意見をズバズバ言う指名客が圧倒的に多い。好き嫌いがはっきりしており、商品を提案しても迷わず断るタイプだ。
しかし、彼女は断られても落ち込むことなく、即座に別の提案に移っていく。ノーを突きつけられても切り返せる強さが、彼女の最大の強みだ。
そんな美香からすれば、イエスもノーも出されない「迷った」状態のお客様への対応が一番苦手なのだろう。
「私の場合、たくさん買ってくださる指名のお客様に支えられて、今まで売上を達成してきたけど……これからは、こういうライト層のお客様にもアプローチしていかないといけないわね」
昔は百貨店のコスメカウンターと言えば、少し敷居の高い場所であり、お客さまもマダム層が中心だったようだ。
しかし今は、SNSが発達したことにより、うちの店にご来店されるお客様でも若年層が多い。そのため、若いお客様をいかに購入に繋げるか。それが売上アップのカギなのだ。
「こういうところが不十分だから、きっとこの前の試験も駄目だったんでしょうね」
手帳をバッグに入れながら、美香はぽつりと呟いた。
歴が長くなると、指名客も自ずと増えてくるのだが、やはり美容部員の性格によって得意なお客様のタイプも異なる。
例えば美香の場合は、意見をズバズバ言う指名客が圧倒的に多い。好き嫌いがはっきりしており、商品を提案しても迷わず断るタイプだ。
しかし、彼女は断られても落ち込むことなく、即座に別の提案に移っていく。ノーを突きつけられても切り返せる強さが、彼女の最大の強みだ。
そんな美香からすれば、イエスもノーも出されない「迷った」状態のお客様への対応が一番苦手なのだろう。
「私の場合、たくさん買ってくださる指名のお客様に支えられて、今まで売上を達成してきたけど……これからは、こういうライト層のお客様にもアプローチしていかないといけないわね」
昔は百貨店のコスメカウンターと言えば、少し敷居の高い場所であり、お客さまもマダム層が中心だったようだ。
しかし今は、SNSが発達したことにより、うちの店にご来店されるお客様でも若年層が多い。そのため、若いお客様をいかに購入に繋げるか。それが売上アップのカギなのだ。
「こういうところが不十分だから、きっとこの前の試験も駄目だったんでしょうね」
手帳をバッグに入れながら、美香はぽつりと呟いた。