月とスッポン      ありのままは難しい
2回目の休憩まで、ずっとフランスに想いを馳せる。

何気なくSAを通過しようとする大河に
わざと喉を鳴らせば「チッ」と舌打ちが聞こえる。

インテリア男子の舌打ちは破壊力抜群だなぁ

休憩を3回4回と繰り返して行くうちに会話に少なくなり、底抜けに明るい音楽とエンジン音が聞こえてくる。

仕事が終わってすぐのドライブ6時間は大変そうだ。

寝ているようならこのまま次のSAまで行ってしまおうか

確認しようと横を見れば、大河と目が合う。

「起きてたんですね。眠いようならそのまま寝て下さい。私、まだ行けますんで」
「ダメです。SA毎の交代はちゃんと守って下さい」

気を使ったら怒られた。

「仕事終わりで疲れていると思って気を使ってやったのに、怒られた」
「怒ってませんし、言うほど疲れていません」

「そうなんですか?」
「帰国がギリギリになりそうだったので行きたくなかったんです」

仕事なんですから、それは優先しましょうよ

そう突っ込めば、「慶太郎にも言われました」と拗ねた口調で大河が言うので少し口角が上がる。

「フライト時間が6時間ほどありましたので、いつも以上に睡眠は取れていますので」

「大丈夫です」と大河は言うが、飛行機の中で寝るのとベッドで寝るのではやっぱり違うのではないか?

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