月とスッポン      ありのままは難しい
比叡山延暦寺 西塔
今日はいい天気。気温も上がりそうだ。

なので、SAでしっかりと水分を購入して車に乗り込む。
「では、出発」

ここでいいのか?

不安になりながもナビの通りに進めば、ゲートのお出ましにホッと息を吐く。

料金を払おうとする大河を横目に
「4番でお願いします」と準備してあった割引画面見せ、通行料を係の人に渡す。

ちゃんと下調べをしておいたので、スムーズに出発する。
「料金は私が」と言いかける不服そうな大河の言葉を遮る。

「車のお金は私です。延暦寺に向かって出発です」

しっかりと舗装されているし、時間も早いだけあって、山道を軽快に登って行く。

「《延暦寺は比叡山の山内にある1700ヘクタールの境内地に点在する約100ほどの堂宇の総称です。なので延暦寺という建築物はありませんし、そもそもすでに延暦寺です》」
「知ってるし」

爽やかな気分が阻害される。

「《比叡山の寺社は最盛期は三千を越える寺社で構成されていたそうです。
今から1200年以上前、788年延暦7年に最澄が薬師如来を本尊とする一乗止観院という草庵を東塔北谷に建てたのが始まりとされ、開創時の年号をとった延暦寺という寺号が許されるのは、最澄没後のことだそうですよ》」
「へー」

「《延暦寺は数々の名僧を輩出し、日本天台宗の基礎を築いた円仁、円珍、融通念仏宗の開祖良忍、浄土宗の開祖法然、浄土真宗の開祖親鸞、臨済宗の開祖栄西、曹洞宗の開祖道元、日蓮宗の開祖日蓮など、新仏教の開祖や、日本仏教史上著名な僧の多くが若い日に比叡山で修行していることから、『日本仏教の母山』とも言われています》」
「ほー」

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