あの夏、君と最初で最後の恋をした

2人で過ごす2日目の夜。
縁側に座り虫の声を聞きながら星空を眺める。
昨日と変わらない、圧倒される星空。

「あれが夏の大三角形?」

「そうだよ、
アルタイル、デネブ、ベガの一等星だね」

指差しながら聞く私にひとつひとつ丁寧に教えてくれるのは昔からだ。

「流れ星こないかなー」
 
「友花、いつもそれ言ってるよね。
欲しい物があるとか言って」

「うん、叶えたい事あるから」

「今度は何が欲しいの?
新しいスマホとか?」

柔らかく穏やかな笑顔の颯太。
そんな颯太を真っ直ぐに見ながら私は口を開く。

「颯太とずっとずっと一緒にいられますように」

私の言葉に、颯太の表情が揺らいだのが分かった。
それでも言いたかった、伝えたかった。

「颯太が好きなの。
ずっとずっと、颯太が大好き」

「……ありがとう」

そう言った颯太は、やっぱり柔らかくて穏やかな優しい表情をしてた。


だけど、
ほんの一瞬、
凄く辛そうに、悲しそうにしてたのも、
分かってしまった。

だけど、
気付かない振りをしてそのまま颯太の肩に頭を預けた。

好きだよ、颯太。
颯太がいたら何もいらない。

好きで好きで、
大好きで、
苦しくなる。

それでも何度だって伝えたい。

「颯太が大好き」


「……うん、
僕も友花が大好きだよ」

そう言って颯太の顔がゆっくりと近づく。

私は静かに目を閉じた。


……神様、お願いです。

私から颯太をもう奪わないで。

どうして、 
どうして時間は止まらないの。

お願い、
時間を止めて。

もう颯太と離れたくない。

颯太が好きで好きで苦しいの。

神様、
私、ちゃんとするから。
勉強も運動もちゃんとする。
ママの手伝いも嫌がらない。

いい子にするから。

だから、
だから神様、お願い。


このまま、
颯太と一緒にいさせて下さい。












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