口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
愛する妻の本音と、俺の想い(清広)
清広が作ったカレーを食べ終えたつぐみは身を清めると、清広の部屋に置かれたベッドで横になり、あっと言う間に意識を手放した。
「いつもと違う香りがするのに、清広さんの声が聞こえるの……」
「寝ぼけているのか」
「すごく新鮮で……」
「つぐみ?」
「でも、ちょっと物足りない……」
愛する妻の寝顔を堪能していた清広は、時折彼女の口からむにゃむにゃと声にならない言葉が出てくることに驚きを隠せない様子で、つぐみの寝言を聞き漏らさぬように耳をそばだてる。
「清広さんじゃないみたいで、不安なの……」
清広の方が、年上だからだろうか。
意識があるときは、つねに敬語を使っている。
酔っ払っている時でさえもそうなのだから、完全に癖となっているのだろう。
そんな彼女がタメ口で言葉を紡ぐあたり、深層心理が表に出ているか、頭の中で考えていることが口から出てしまっていると判断するべきだ。
「……いなくならないで……」
清広は寝言に返事をしない代わりに、彼女の手に自身の指先を絡め、離れないように繋ぐ。
「いつもと違う香りがするのに、清広さんの声が聞こえるの……」
「寝ぼけているのか」
「すごく新鮮で……」
「つぐみ?」
「でも、ちょっと物足りない……」
愛する妻の寝顔を堪能していた清広は、時折彼女の口からむにゃむにゃと声にならない言葉が出てくることに驚きを隠せない様子で、つぐみの寝言を聞き漏らさぬように耳をそばだてる。
「清広さんじゃないみたいで、不安なの……」
清広の方が、年上だからだろうか。
意識があるときは、つねに敬語を使っている。
酔っ払っている時でさえもそうなのだから、完全に癖となっているのだろう。
そんな彼女がタメ口で言葉を紡ぐあたり、深層心理が表に出ているか、頭の中で考えていることが口から出てしまっていると判断するべきだ。
「……いなくならないで……」
清広は寝言に返事をしない代わりに、彼女の手に自身の指先を絡め、離れないように繋ぐ。