口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
「……何があっても絶対に戻ってくると、言えたらよかったんだが……。つぐみに嘘だけは、つきたくないからな。可能性がゼロではないことを、知っていてほしい」
彼の告白を受け取ったつぐみは、思わず心の中に押し留めておくべき言葉を、冷たく言い放ってしまう。
「清広さんは、酷い人ですね」
「すまない」
「幼い頃の約束なんて、律儀に守らなくてもいいんですよ」
「やはり、今の仕事を辞めるべきだろうか……」
つぐみは喉まで出かかった言葉を、必死に飲み込んだ。
(そんな危険な仕事は今すぐ辞めて、ずっと私のそばにいると約束してほしい、なんて……。そんなことを言う資格など、私には、ない……)
つぐみはこうして彼と再び交際することになり、ともに暮らすようになっただけでも感謝するべき立場だ。
(これ以上は望んではいけない。求めたら、罰が当たる)
素直になれない彼女は胸の前で腕を組むと、清広から視線を反らした。
「それくらい、自分で考えてください」
「すまない、つぐみ……。本当に……」
つぐみを自宅に連れてきてから、彼は謝罪をしてばかりだ。
彼の告白を受け取ったつぐみは、思わず心の中に押し留めておくべき言葉を、冷たく言い放ってしまう。
「清広さんは、酷い人ですね」
「すまない」
「幼い頃の約束なんて、律儀に守らなくてもいいんですよ」
「やはり、今の仕事を辞めるべきだろうか……」
つぐみは喉まで出かかった言葉を、必死に飲み込んだ。
(そんな危険な仕事は今すぐ辞めて、ずっと私のそばにいると約束してほしい、なんて……。そんなことを言う資格など、私には、ない……)
つぐみはこうして彼と再び交際することになり、ともに暮らすようになっただけでも感謝するべき立場だ。
(これ以上は望んではいけない。求めたら、罰が当たる)
素直になれない彼女は胸の前で腕を組むと、清広から視線を反らした。
「それくらい、自分で考えてください」
「すまない、つぐみ……。本当に……」
つぐみを自宅に連れてきてから、彼は謝罪をしてばかりだ。