君が星を結ぶから
ながれる。星

ながれる。星1

 無数の星が夜空に瞬き、静かに舞い降りるように、その光はまるで夢のかけらが大地に触れるかのように降り注ぐ。


 桜舞公園の闇の中、星の輝きが小さな囁きを放ち、夜はその静寂を優しく包み込む。


 風が囁くたびに、星たちはまるで微笑むように煌めき、夜の帳は光と影が織りなす、ふたりだけの素敵な世界。


 そんな星が降る夜に、大好きな流星先輩とファーストキスをした。私はこの夜空に舞い上がるくらい嬉しくてたまらない。


 先輩の唇が、私の唇からそっと離れる。


 先輩の吐息が近い。


 芸能人のように整った顔立ち、きりっとした細い眉毛にぱっちり二重瞼、そんな先輩の硝子玉のように綺麗な瞳の奥には私が映っている。


 誰もが完璧イケメンだと口を揃えて言う、種高の流星とキスをしたのだ。


 私の心臓は、今にも口から飛び出してしまいそうなほど暴れ回っている。


 次に、どのような甘い言葉をかけられるのだろう。これからも先輩とたくさん素敵な思い出を作っていきたい。


 そんな期待で胸がいっぱいな私とは反対に、先輩はひどく悲しそうな顔をしてこう言った。


 「ごめん、別れよう。僕は君が好きかわからない」


 幸せの絶頂からどん底に一気に転げ落ちていくような、そんな感覚に陥る。


 あぁ、最悪だ。
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