モノノケモノ
第六章 猫の子
裏庭の桜が咲いた。

気付いたのは今朝で、朝ごはんを食べた後、ふらりとサンダル履きで近づいてみた。


「もうすぐ1年もサボってることになるんだなぁ……」


サボリ癖がついていけない、と独り言を言ってみるが、まだ学校に行く気にはなれない。

行く気になれない、というより、きっかけがないから行かないのかもしれない。

桜を見つめながらぼんやりしていると、祖母に声をかけられた。


「由香ちゃん、学校からお手紙が来ているわよ」


振り返ると、祖母はわざわざ廊下からこちらに降りてこようとしていた。



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