モノノケモノ
「明星下ろして!」


私は明星の背中から飛び下り、月浦さんに駆け寄る。

体をやや乱暴にひっくり返し、肩を叩いた。


「月浦さん!大丈夫ですか!?

月浦さん!」


「お前あんま乱暴にすんなよ。

だいたい、しばらくほっとけば治るって言ってるだろ」


そうだった。

思わず取り乱してしまった。

しかし、私がずいぶん揺さぶったり叩いたりしたのに、月浦さんは目を覚ます気配がない。

かなり痛めつけられたようだ。

私は月浦さんを起こすのは諦め、手を離した。


「急ごう。

月浦さんも、たぶん鬼の子にやられたんだ。

本格的に族長が危ない」
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