もうすぐ30歳ですが、なにか?
久しぶりに匠先生に会ったとき、
「研修先、決まった?もしまだならうちに来ないか?」
誘いを受けた。
稼げればどこでも良かったし、もしかしたら郁先生もうちの親のようになってるかも知れないと、穿った考えもあった。

面接のために病院へ行くと匠先生が待っていてくれた、小さな女の子を抱っこして。
結婚してもうお父さんになってたんだ。
「ご無沙汰してます。匠さんもお父さんが様になってますね」
「お父さん?
環は姉さんの子供だよ、俺は別れたし」
えっ…。
「匠君、この人誰?」
郁さんの子供か。

「こんにちは、匠君の後輩の多岐川柾哉です」
「ふぅ~ん、後輩ってなに?」
匠先生がお友達と説明している。
それより、別れてたんだ…。
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