あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
決断のとき



静かに季節は過ぎ去り夏が終わり秋を迎え、漣とのこの歪な関係はもう半年以上が経っている。

私達の関係は進展も後退もなくズルズルと続けられたまま。時折感じる女の影も最近は「またか」と思うにとどまり、心の麻痺を感じる。

けれどいつだって2人きりで過ごすの時の漣は幸せそうで、一緒にいる間は食事をしたり、ゲームをしたり、体を重ねたりと本当の恋人のようだった。


決して油断していたわけではない。変装だって抜かりは無かった。ただ一つ挙げるとすれば、私は舐めていたのだ。プロというものを。



決断の瞬間(とき)は、既に目の前まで迫っていた。




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