あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「もし俺の言う通りにしてオーディション受かったら、お祝いにご飯行こうよ」
「ええ…」
「もちろん俺の奢り。食事だけ。悪い話じゃないでしょ」
「……」
答えに詰まる。その隙に霜月さんは下着の肩紐ごとシャツをずらし、肌を露わにさせた。
そしてそのまま鏡を向くよう言われ、見つめる。
そこには確かに、いつもと違った雰囲気の自分がいた。
いつもよりラメ感のないパープルのアイシャドウだったり、初めて塗る赤い色味のリップだったりがそれを際立たせているように見えた。
「…うん、やっぱり最高に可愛い」
鏡に映る霜月さんの顔はうっとりと綻んでいた。
私に見惚れているのか、はたまた自分の審美眼に惚れ惚れしているのか。どちらにせよ、ひどく恥ずかしい。
「…っ」
声にならない音を喉から鳴らして視線を逸らせば、肩に置かれていた手が離される。
「席外すから、着替えておいて」
返事を待たず霜月さんは部屋を出ていく。
パタンと扉が音を鳴らすや否や、私は突っ伏して身悶えた。