あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
間も無くして準備が整ったと撮影に呼ばれ、私の姿を見た馴染みの編集者である諏訪さんは嬉々としていた。
「白雪ちゃんいい感じ!さすが漣くんね」
「諏訪さん、お知り合いなんですか」
さすがと言うからにはやはり以前から付き合いがあったみたいだ。
諏訪さんは「ええ」と短く肯定した。
「以前担当してた雑誌で漣くんにモデルをお願いしててね。彼が学生の時からの付き合いね」
「はあ…」
曰く予定していたスタイリストの都合が悪くなり代わりを依頼すれば、まさかの霜月さんが食いついてきて一番驚いたのは諏訪さんだという。
何をそこまで気に入ってもらえたのかは知らないけれど、諏訪さんのオッケーが出た事で撮影が始まった。
霜月さんの居場所を聞かれたが知りませんと素直に答えれば諏訪さんは喫煙所だろうと呆れて言ってスタッフに呼びにいくようにお願いしていた。
ソファを背に何度かポーズを変えてシャッターを切られていると、悠々と戻ってきた霜月さんは壁に寄りかかりながらこちらを眺めていた。
見られる事には慣れているが霜月さんの視線はいかんせん緊張する。けれどそれを悟らせまいと気張れば、ちょっと表情固いよとカメラマンから苦言を呈された。