あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
なんだか悔しい。
彼の方がこの業界は長いのかもしれないけれど今は一般人だ。対してこちらは仮にも役者を目指している身。私にだって演技をすることくらいできる。
そう思い挑発するような視線を向ければ、突然シャッター音が止まった。
まずい。やってしまった。
勝手な事をしてしまったと謝罪をしようかと思ったけれど、意外な言葉が飛んできた。
「いいね!白雪ちゃん、今のもう一回!」
「え、」
拍子抜けした。けれど求められているものには応えなければと先程の感情を思い出して表情を作る。
やっぱり演じることは楽しい。
そうして何枚か写真を撮られたところで一旦確認が入り、写真データのチェックに霜月さんも加わりOKが出された。
そして再び控室へ移動して2着目に着替える事になったのだが、それもまた霜月さんの趣味全開というか、キャミソールの真っ白なシフォンドレスだった。
というより、ランジェリー感が否めないのは偏見のせいだろうか。
「さっきの表情、良かったよ」
ネックレスをかけながら霜月さんは言った。
私はといえば、髪をかきあげておいてと言われたため頭の上で束ねて手で固定しているので両手が塞がっている状態である。