あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
漣は私の手を掬い上げ、キスをする。拒絶せずにいれば調子に乗ったのか顔を寄せ、耳や頬、そして果ては唇に。それから徐々に下に移動しようとするそれを止めた。
「…待って」
手で押しのければ、不満そうな顔をした。
「いいじゃん。1回も2回も同じだって」
「普通に最低。…そうじゃなくて、聞きたいことがある」
「ちゃんと答えたらしてもいい?」
その返事にドン引きした顔を見せたが、この男は私がどんな顔をしようと興奮材料になり得るらしい。かわい〜と言いながら私の首の後ろから腕を回し、髪の毛を取ってくるくると指に巻きつけて遊び始めた。
「じゃあ、なんでもどうぞ」
「…。漣って何者なの?」
「何者って?」
「このマンション、絶対億は軽く超えるよね。そんな所にどうして住めるの」
そんなに稼いでるの?と直球に聞けば漣はまさかと笑った。
「専属契約してくれる人はいるからそれなりに稼いでるけど、それでこんなところは住めないよ。お金持ちなのは俺じゃなくて、俺の祖父」
「お祖父さん…?」
「そう。もう死んじゃったけどね」