この恋、温め直しますか? ~鉄仮面ドクターの愛は不器用で重い~
奥手、おとなしいというタイプでもないけれど、中・高と女子校育ちで異性には免疫がない。
教師に好かれてクラス委員なんかを任されてしまうほうだったから、華やかなグループの子たちがよくしていた放課後に男子校の生徒と待ち合わせというのも一度もしたことがなかった。
大学も勉強に追われている間に気がつけばもう四年生だ。薬学部は六年制なのでまだしばらく女子大生ではいられるけれど。
「どうかしたか?」
環の赤面の理由に彼は気づかない。いや、赤面しているとも思っていないかもしれない。
「ううん、なんでもない。そうだ、去年公開されたあの作品なんだけどさ」
彼の『環』を忘れたふりして、会話を続ける。
ひとり三百八十円のドリンクバーだけで何時間もそこにいて、店長らしき男性にやや迷惑そうな顔をされる。それでも、もっともっと話がしたい。
そんなふうに思うほど最高に楽しい時間だった。
以来、学食やサークルの部室で顔を合わせれば会話をする仲になった。
もっとも彼は興味のない話題にはまったく食いつかないので話題は互いの勉強、映画、小説のうちのどれかだったけれど……。
「それじゃまたね、要くん」
「あぁ」
教師に好かれてクラス委員なんかを任されてしまうほうだったから、華やかなグループの子たちがよくしていた放課後に男子校の生徒と待ち合わせというのも一度もしたことがなかった。
大学も勉強に追われている間に気がつけばもう四年生だ。薬学部は六年制なのでまだしばらく女子大生ではいられるけれど。
「どうかしたか?」
環の赤面の理由に彼は気づかない。いや、赤面しているとも思っていないかもしれない。
「ううん、なんでもない。そうだ、去年公開されたあの作品なんだけどさ」
彼の『環』を忘れたふりして、会話を続ける。
ひとり三百八十円のドリンクバーだけで何時間もそこにいて、店長らしき男性にやや迷惑そうな顔をされる。それでも、もっともっと話がしたい。
そんなふうに思うほど最高に楽しい時間だった。
以来、学食やサークルの部室で顔を合わせれば会話をする仲になった。
もっとも彼は興味のない話題にはまったく食いつかないので話題は互いの勉強、映画、小説のうちのどれかだったけれど……。
「それじゃまたね、要くん」
「あぁ」