15年の嘘の真実
第11話、新たな決断
アクアは、愛との再会を経て心の中で深い葛藤を抱えていた。前世の悲しみと、今の幸せが入り混じり、どこかで自分の中に消化できない感情が渦巻いている。母を守りたい、でもそのために何をすべきなのか、その答えが見つからないままだった。
ある日、四兄弟が集まるリビングで、アクアはふと口を開いた。「前世、あんなに辛い思いをさせた母さんが、今、こんなに幸せそうにしている。でも、俺はその幸せを守れるのか、守らないといけないのか…」
ルビーはその言葉に耳を傾けながら、少し考えてから言った。「アクア、私たちが一緒にいる今が大切だよ。過去のことに囚われている暇なんてない。母さんも今、私たちと一緒にいることが幸せだと思うよ。」
ユウキもその言葉に頷きながら、「アクア、お前が悩んでるのは分かる。でも、母さんはお前がそばにいるだけで安心してるんだ。俺たちが一緒にいることで、彼女も笑顔を取り戻してるんだよ。」
はーくんはしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。「アクア、過去は過去だ。でも今は、俺たちがどうするかが大事だろ。母さんを守るって決めたんなら、全力で守れよ。」
アクアはその言葉に反応し、静かに立ち上がった。「そうだな。過去に囚われている暇なんてない。母さんを守るためには、今、何をすべきかを決めなきゃ。」
その夜、アクアは愛と向き合う決心を固めた。愛がいる場所に歩み寄り、彼女の前に立った。愛は微笑んでアクアを見つめる。「どうしたの、アクア?」
アクアは深呼吸し、しっかりと目を見つめて言った。「母さん、俺、決めたよ。もう過去に囚われない。母さんを守るために、俺は今、この手で何かをするって決めた。」
愛は驚きの表情を浮かべた後、柔らかな笑顔を見せる。「そう…ありがとう、アクア。あなたがそう決めてくれることが、私にとって一番の幸せだよ。」
その言葉を聞いて、アクアは心から安堵し、深く頷いた。そして、彼の中で何かが変わったような気がした。決意が固まり、これから先、何があろうと母を守るために全力を尽くすと心に誓った。
一方、愛もまた新たな決断をしていた。彼女は、過去の痛みを完全に乗り越え、アクアや四兄弟と共に前を向いて歩み出すことを決めた。芸能界に戻り、再び輝きを取り戻すために、彼女は全身全霊で努力する覚悟を決めた。
その翌日、四兄弟はそれぞれの役割を果たしながら、新たなステージに向けて準備を始める。アクアとルビーは中心となり、ユウキ、はーくんはサポートをしながら、ライブのプランを練り、愛もその準備に関わることになる。
ライブの中で、愛が再び「サインはB」を歌いながら、自らの過去と向き合い、今ここにいる自分を感じる。歌声が響き渡る中、アクアは強い決意を胸に、母を守るため、そして自分の未来を切り開くために進んでいく。
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「新たな決断」は、アクアと愛、四兄弟の成長を描いた話であり、それぞれが自分の道を決め、互いに支え合う姿が描かれています。アクアの決意が強くなり、物語は新たな展開へと向かっていきます。