15年の嘘の真実
第17話迷いの中で
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アクアは、母親がかつて自分に与えてくれた愛と、自分が今抱えている復讐の感情との間で引き裂かれるような苦しみを感じていた。母親が生きているとは信じられず、あの事件の真相もつかめないままだった。その中で、自分を責め、復讐心が膨らむ。しかし、その復讐心が心を覆い尽くすにつれ、愛されていたはずの過去が今の自分にとって痛みと化していく。
一方で、ルビーはそんなアクアの心情を察し、彼に優しく寄り添おうとする。彼女はアクアが深く傷ついていることに気付き、何も言わずにその苦しみを受け入れるつもりでいた。だが、アクアはその優しさを拒絶し、何もかもを一人で背負おうとしていた。
「お兄ちゃん、どうしてこんなにもつらそうなの?」と、ルビーが不安そうに問いかける。
その言葉に、アクアは答えられず、ただ黙り込む。自分がルビーを守り、支えるべき存在であると分かっていながら、心の中での迷いは消えない。
そして、アクアはついに、母親に対する復讐心が自分を本当に解放することはないと悟り始める。過去と向き合うことが必要だと感じ、少しずつその迷いから抜け出していく。だが、完全に心が晴れるわけではなく、葛藤は続く。
ルビーの言葉と、アクア自身の心の変化が交錯する中、少しずつ彼の心の中に新たな決意が芽生えてきた。自分の今までの行動を振り返り、何が本当に大切なのかを見つけ出す旅が、ここから始まる。
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