ドSな彼氏が校門で待っていたので素通りしたら…
お兄さんが帰ってきてその気は失せたのか、ベッドに寝転ぶ咲夜くん。
なぜかそれを残念に思う私は変態なのか。

「おい」

「なに?」

「来いよ」  

「え?」

来いってなに?

「俺の上に乗れ」

乗るってどう乗るの?
フリーズする私の腕を掴み引っ張られた私は、バランスを崩して咲夜くんを押し倒した体制になる。

「お前からキスしろ」 

「え?!」

前言撤回。
失せるどころかまだやる気満々だった。 

「嫌なのかよ」
 
「嫌じゃないけど…」

「俺を置いて帰ろうとしたやつはどこの誰だっけ?」

「うっ」

まだ根に持ってる。
でも私からした事ないし。
一向に動こうとしない私に「加奈ちゃん」と不意にちゃん付けで呼ばれ、咲夜くんと目が合う。いつもはお前か呼び捨てなのに。

それでもなお動こうとしない私に痺れを切らしたのか、咲夜くんが私の後頭部に手をやりキスをする。
 
一旦、口が離れてまた再度キスされる。 
今度は舌が入りもっと深くねじ込まれる。
クチュッとした、いやらしい音が部屋に響き、お腹の奥がキュンとする。
 
段々と力が抜けてきて、このままというところで「加奈ちゃん、夕飯」と言って、再度お兄さんが現れる。

「あはは、ゴメンね。俺がいるから流石にやらないかと思ってた。ごゆっくり〜」

そう言って静かにドアが閉められる。
見られた。私が咲夜くんに覆い被さってるのを見られた。
恥ずかしすぎる。すぐに咲夜くんの上から降りる。

ふと咲夜くんの顔を見ると、今までにないくらい怖い顔をしていた。

「兄貴ー‼︎」

そう言って部屋を出ていく咲夜くん。
ちょっと残念なような、ほっとしたような。
しばらく私たちはキス止まりなようです。
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