君の心に触れる時

プロローグ


春香(はるか)は生まれつき心疾患を抱えた女性だが、病院が大嫌いだった。

子供の頃から続く入退院生活や、周囲の同情の視線が耐えられず、病気のことを隠して普通の生活を送っていた。
しかし、ある日突然倒れた春香は、緊急搬送された病院で心臓血管外科医の蓮(れん)と出会う。


蓮は若き天才医師として有名だが、クールで無愛想、患者に情を移さないことで知られていた。

しかし、春香の病状に向き合ううちに、彼女の強がりや痛みを隠す姿に心を動かされていく。
一方、春香もまた、病気を理由に距離を取らない蓮の存在に心を開き始める。


互いに惹かれ合う二人だが、春香の病気は日々悪化していく。

蓮は彼女を救うため、あるリスクの高い手術を提案するが、春香はそれを拒否。

「たとえ短い命でも、ありのままの私を生きたい」
と告げる。

蓮はそんな春香に
「君が生きる理由をもっと増やしたい」
と説得するが、彼女の心は揺れ続ける。

やがて、二人は春香の生き方と未来についてともに向き合い、答えを探していく――命の限界を超え、愛が与える奇跡とは何か
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