君の心に触れる時

再び病室に戻ると、春香は目を覚まし、赤ちゃんを見つめていた。蓮に気づくと、優しい笑顔を浮かべる。

「蓮…この子、本当にかわいいね。」

その笑顔が胸に刺さる。
「春香、体調はどうだ?」

「うん、大丈夫…ちょっと疲れたけど。でも、幸せだよ。」

春香の言葉に嘘はなかった。
だが、蓮はその裏で迫る死の影をはっきりと感じていた。医師として、そして夫として。

蓮は静かに春香の手を握り、強く誓うように言った。
「春香、俺が必ずお前を守る。どんな手を使ってでも、絶対に。」

春香は驚いたように蓮を見つめるが、彼の瞳に浮かぶ決意を見て微笑んだ。
「ありがとう、蓮。」

だがその夜、蓮は病室の隅で一晩中モニターを見つめ続け、眠ることはなかった。
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