この恋は妄想じゃありません
「私やっぱり三琴くんのこと好きです」



な、何。



なんだか嫌な予感がする。



「莉紗先輩と三琴くんが付き合ったこと聞きました」



乃愛ちゃんの言う通り、私と瀬名くんは付き合い始めた。



「でもやっぱり諦められないです。私、明日の放課後三琴くんに告白するんで」



乃愛ちゃんは冗談なんか言う子じゃない。



そして三琴くんと乃愛ちゃんは幼なじみということもあって仲がいい。



「えっ」



乃愛ちゃんが瀬名くんと仲良くするのは、別に乃愛ちゃんの勝手なんだけど。



だけど瀬名くんが他の女の子と仲良くしているのを見たらなんだかモヤモヤしてしまう。



乃愛ちゃんが瀬名くんに告白って…。



乃愛ちゃん可愛いし、いい子だし多分幼なじみな瀬名くんもそれは分かってるはず。




そう思うとなんだか焦燥感が募ってきた。



明日の放課後ってことはすぐだ。



もう瀬名くんは帰っちゃったし今さらどうにもできない。



っていうか帰ってなかったとしてもどうにも出来なかったと思う。
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