琴葉の日記

そのとき、固定電話が鳴ったの。

お母さんは素早くゴム手袋を外して、電話に出た。


それが、声が普段より高くなるのだけ家と同じで、あとは全然違ったんだよ!

丁寧で上品な日本語に、本気で、誰⁉︎ って感じ。


でも、受話器を置いて振り返ったときに、私たちに気づいて、瞬時にいつものお母さんに戻った。

『あらら〜?』って。


秀くんは『今、琴ちゃんのことをお客様として招待してるんだ。ゆりさん、客間にお茶をお願いします』って言ったの。

それと、ムースの入った紙袋を差し出しながら、『あと、これを冷蔵庫にお願いします』とも。


お母さん、ほんの数秒間だけ固まってた。

でも、すぐに『承知しました』ってにっこり。

それがまたまた上品でΣ(๑0ω0๑)


客間で待ってる間に、秀くんから『どう思った?』って訊かれたから、『もう、びっくり‼︎』って正直に答えた。

秀くんってば、めちゃくちゃ勝ち誇ってた。

何か悔しい……

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