琴葉の日記
当時のことが一瞬で思い出された。
その日、いつものように放課後を神山さんの家で過ごしてたら、『秀くんと学校もピアノ教室も同じ』だっていう大貴さんが遊びに来て……
秀くんは、私たちをお互いに紹介してくれた。
だけど、そのときに大貴さんは、『へ〜、家政婦さんの子なんだ〜』って、私のことを頭のてっぺんから足のつま先まで見てきた。
笑顔だったけど、その笑顔の下で何か考えてるみたいに感じた。
大貴さんと再会したくなかったけど、ここまで来てどうすることもできなかった。
『大貴、僕の彼女を紹介する〜』って言う秀くんの楽しそうな声に、私は泣きたくなっちゃった。
『はあ? いつの間に⁉︎』って、大貴さんがこっちを向いたとき、私たちは目が合った。
『あっ、家政婦さんの子だよね⁉︎』ってびっくりしてた。
『やっぱりな〜』って、あのときと同じ笑顔で見つめられて、身がすくんじゃった。