鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 今回の場合は吐しゃ物もなく、血液が出ているわけでもないから当てはまらないだろうが、意識を失う理由に感染症による影響が含まれることも多々ある。少しでも感染のリスクを減らすためにこうした対応を取るのだ。

 私が人工呼吸と胸骨圧迫を続けている間、男性は私たちが好奇の目にさらされないよう集まった人を使って布の壁を作り、手もとが暗くならないようスマホの明かりでずっと照らしてくれていた。

 そうしているうちに救急車が到着する。女性がストレッチャーに乗せられて運ばれていく間、男性の救急隊員が私たちのもとにやってきた。無意識に足を引きそうになるが、ぎりぎり堪える。

「ご家族ですか?」

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