鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
「この距離が平気なら、車も次からは助手席で大丈夫そうだな」

「はい。よかったです」

 男性恐怖症が俺の存在によって改善してくれるなら、こんなにうれしいことはない。できる限り協力したいし、彼女には幸せになってほしいとも思う。

 だが、心からそう思う人だからこそ意識する。

 罪悪感を抱きながらも彼女との距離に胸を騒がせ、いったいいつから自分はこんなに落ち着きのない人間になったのかと考えた。


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