鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 今日まで私は悠生さんを支えてきただろうか。

 仕事をしながらではあったけれど家事は担当した。悠生さんがやってくれることも多かったから、支えたというほどのことはできていない。

 支えられていたのは私のほうだ。彼の優しさと気遣いに甘えて、トラウマと向き合うための協力をしてもらった。

『愛があれば関係ない、とは言わないわよね。それはただの依存よ。本当に愛しているなら、彼の幸せのために一番いい選択をするはずだもの。あなたはどう?』

 しばらく沈黙が続いた。自分の心が、亜香里さんの言葉に揺さぶられているのがわかる。

『離婚したほうがいい。あなた自身のためにも』

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