鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 怪我をした子どもの手当てを済ませ、この後どうすればいいのかを説明してから立ち上がる。

 その時、視界の先に真剣な顔で患者の処置をする悠生さんの姿を見つけた。

 彼がどれほど多くの命をその肩にのせているのか、その重責をひとりで抱え込んでいるのか、想像するだけで息が詰まりそうだった。

 きっと私だったら臆病風に吹かれてしまうところを、彼はまったく動じずにいる。

 悠生さんの表情はいつものように冷静で、頼もしかった。

 ときどき彼の出す指示が聞こえてくるけれど、ひとつも無駄がない。

 再会した時に感じた安心感を改めて実感するも、あの時とは違う感情が胸の内にあるのも理解する。

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