鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
「でも羽白さんは的確に動いていると思います。すごいな」

 まっすぐな称賛がくすぐったい。話しながら、こんなふうに緊張せず男性と話せている自分をうれしく思った。こうして頑張れているのもすべて悠生さんのおかげだ。

「私はもともとこういう現場で看護師をしていたので。ブランクがあるので心配していましたが、ちょっとずつ勘を取り戻してきた気がします」

「ええ? ブランクなんて全然あるように見えませんよ。まさにスペシャリストって感じで尊敬します」

 おどけた言い方につられて笑うと、彼も疲れが色濃く刻まれた顔を緩ませた。

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