鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 ある程度覚悟していたとはいえ、連絡も満足に取れないままこんなに長く離れ離れになるとは思っていなかった。

 悠生さんはどうしているだろう。そればかりが気になる。

 到着口を出ると、すぐに周囲を見渡した。

 悠生さんは迎えに来ると言ってくれたけれど、もう来ているのだろうか。

 そう思った時、遠くに彼の姿を見つけた。胸の奥が甘く疼き、全身が震える。

 悠生さんもまた、私を見つけたようだった。

 颯爽と歩み寄ってくる姿につい見とれる。

「……律」

「ただいま戻りました。ごめんなさい、お迎えなんて――」

 言い終える前に、なんの前触れもなく抱きしめられた。

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