鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 どうして、なぜ。そんな疑問が次々に浮かぶ中、私が口にできたのはたったひと言だけ。

「私もあなたが好きです」

 ずっと言えずにいた言葉を口にした瞬間、顔を寄せてきた悠生さんに唇を塞がれる。

 思わず目を見開いてしまい、私を愛おしげに見つめる悠生さんの顔を直視してしまった。

 咄嗟に自分の唇に手を当ててうつむくと、悠生さんが私の背中に回していた腕を離した。そして気まずそうに顔を覗き込んでくる。

「……悪い。ずっとしたいと思っていたから、つい」

「うれしいですけど、今はだめですよ……」

 顔が熱くて悠生さんの顔を見られそうになかった。今、私の頬に触ったらきっと火傷するに違いない。

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