鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
なにかがひとつ違えば、私たちはお互いを疑っていたかもしれないけれど、奇跡的にピースが噛み合ったおかげでそうはならなかった。
「お疲れ様でした」
「ああ、君も」
悠生さんが私に手を差し出した。
今はなんの抵抗もなく触れられる手を取り、並んで歩き出す。
亜香里さんを思うと胸が痛んだけれど、それ以上に安堵の気持ちが強い。
「これでなんの心配もせずに夫婦でいられますね」
「いや、まだだ」
「え?」
思わぬ返答に足を止めてしまう。
悠生さんは私を見下ろし、苦い顔で言った。
「両親の説得が残っている」
「お疲れ様でした」
「ああ、君も」
悠生さんが私に手を差し出した。
今はなんの抵抗もなく触れられる手を取り、並んで歩き出す。
亜香里さんを思うと胸が痛んだけれど、それ以上に安堵の気持ちが強い。
「これでなんの心配もせずに夫婦でいられますね」
「いや、まだだ」
「え?」
思わぬ返答に足を止めてしまう。
悠生さんは私を見下ろし、苦い顔で言った。
「両親の説得が残っている」