きみの本気は分かりづらい
「………はっ、…は…」

「……もう一回」

「……?」

「もう一回、言って」




ようやくキスの嵐から解放された私は
肩で息をしながら、呼吸を整える


そんな私とは対照的に
息ひとつ乱れてないゆう兄は

表情は真剣なままだけど

どこか、ぼんやりとした…
夢見心地のような、そんな口調で言う




「………言いたくない」

「なんで?」

「……2回、言ったもん」

「足りない」

「っ、ゆ、ゆう兄は言わないのにずるい!」

「好きだよ」

「!」



「俺は、むくが好きだよ」



「昔も、今も、むくが一番好き」



「ずっとずっと、むくだけを愛してる」



「むくを愛してる」
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