憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
化粧品会社の社員とはいえ、プロのメイクさんに比べたら素人なのに……と思っていたが、こうやって何人もの女性にメイクをしてきたから、いろいろな蓄積があるのだろう。
実際、宇佐神課長が言うようにやったらよくなったという事例もあとを絶たない。

「んー……」

なにか考えるように彼の視線が上を向く。

「まあ、別に?
趣味でやってたようなもんだし、七星と一緒に食事するほうが大事だしな」

へらっと締まらない顔で彼が嬉しそうに笑う。
おかげで頬が熱くなっていった。

「……そう、ですか」

なんかいたたまれなくなってちまちまと料理を口に運ぶ。
猫をかぶっている会社のジェントル宇佐神課長でも、家での俺様宇佐神様でもない、素の課長はこうやって私を惑わせて、たちが悪い。

食事の片付けはふたりでやる。
作ってもらっているんだし私が全部やると言ったが、ふたりでやったほうが早いからと押し切られた。

「明日、大丈夫なんですかね……」

明日は土曜で休み。
当然、普通の会社員をしている兄も休みなわけで、ストーカー事件の現状報告のために会う約束をしていた。
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