憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
第五・五章 デキる部下が風邪をひきました~宇佐神Side
外出先から帰ってきた七星の様子がおかしい。
パソコンの画面を見つめながら、あーとか、うーとか唸っている。
いや、アイツはよくそうやって唸っているので通常運転といえば通常運転なのだが、なにかが違う。
上手く言語化できないのがもどかしい。
しかし、なにやら悩んでいる様子なので、彼氏として……というよりも、上司として声をかけるべきだろう。

「井ノ上さん。
なにか問題があるなら相談に……」

七星の横に立ち、声をかけた瞬間。
――彼女の身体が、ぐらりと揺れた。

「おい、大丈夫か!」

慌てて支えた彼女はぐったりしていて、返事がない。
額に触れると恐ろしく熱かった。
いつから?
いつから体調が悪かったんだ?
気づかなかった自分のうかつさを呪った。

「どうしたんですか?」

俺が大声を出したから、他の社員たちが心配そうに寄ってくる。

「井ノ上さんがダウンした。
病院に連れていってそのまま連れて帰るので、あと、頼めますか」

話しながらてきぱきと七星の荷物をまとめる。

「はい、まかせてください」

「……だいじょう……ぶ、です。
タクシー……で、……ひとりで帰れる……ので……」

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