憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「もー、宇佐神課長を狙っていた女子社員、大騒ぎですよ。
気をつけてくださいね」

あたりを見渡し、少し声を潜めて由姫ちゃんが忠告してくる。

「ありがとう、気をつけるよ」

それに引き攣った笑顔で答えた。
人が寝込んでいるあいだになにやってくれてるんだ、あの人は。
帰ったら厳重注意だ、うん。

とりあえず職場は今までどおりだった。
……嘘です。
じみーになんか視線を感じる。
部内はまだいいが社内を歩くとこそこそ噂されている気がするのは、自意識過剰なんだろうか。

お昼は社食に来たが、ひそひそ話されているように感じて、居心地が悪い。
いや、気のせいじゃないと思う。

「はぁーっ」

サラダと雑穀米、バターチキンカレーがワンプレートになったセットを選んだが、気分が憂鬱であまり減っていない。

「どうした、そんな大きなため息ついて」

それでももそもそと食べていたら、目の前にあとから来た龍志が座った。
ふたり用の席とはいえ、わざわざ注目されるようにここに座らなくていいと思う。
空いている席はまだあるんだし。

「誰かさんがいらんことを言うからですね」

「別に事実だろ」

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