憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
話が終わり帰り際、再び彼女が事務所の担当者とともに頭を下げる。
やればちゃんと謝罪できるんだと妙な感心をした。

「いえ。
次から気をつけてくれたらいいですから。
あ、あと」

部屋を出ようとしていた彼女が足を止め、まだなにかあるのかと怯えた顔で私を見る。
それがなんか、ちょっと可愛く見えた。

「約束の時間に遅れたときはきちんと謝りましょうね」

あっという間に恥じ入るように彼女の顔が赤く染まっていく。

「……はい。
すみませんでした」

とうとう彼女は完全に俯いてしまった。

エレベーターまで彼女たちを送る。
ちょうど一階から昇り始めたところで、しばらく待たないといけないようだ。
そのうち私たちのいる階に着き、ドアが開く。

「あ。
お疲れ様です」

「お疲れ」

降りてきたのは外回りに出ていた、龍志だった。

「宇佐神課長。
COCOKAさんです。
COCOKAさん、宣伝広告部の宇佐神課長です」

「はじめまして、宇佐神です」

「はじめまして、COCOKAです」

龍志が挨拶した途端、先ほどまでの萎れた態度が嘘のように彼女の顔がぱーっと輝いた。
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