憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
また、発売前の新商品だとか、ごり押しで大量に奪ったサンプル品だとかだと困る。

「大丈夫です、もう発売されているヤツなんで。
それにそんなに使わないのにどーぞーって段ボール一箱も送ってこられて、ちょっと困ってるんです。
もちろん、担当さんに配っていいか確認済みです」

照れくさそうに彼女が苦笑いを浮かべる。
そうか、あの一件で学習したのか。

「じゃあ、ありがたく」

事情がわかり、素直に受け取った。
ちゃんとこうやって確認してきて渡してくれるなんて、ちょっと彼女の成長が嬉しい。

「あ、これ、井ノ上さんにだけ、特別なんで。
他の人には内緒にしておいてくださいね」

顔を寄せてそれこそ内緒話でもするように彼女が耳打ちしてくる。
顔を離して目のあった彼女は、いたずらっぽく笑った。

「それってどういう……」

最後まで言うよりも前に不意に彼女の視線が私から外れ、どうしたのかとそちらを見たら龍志がちょうどこちらに来るところだった。

「あ、宇佐神課長!」

ぶんぶんと嬉しそうにCOCOKAさんが彼に向かって手を振る。

「こんにちは!」

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