憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~

無理矢理、彼を部屋の外に押し出す。

「おい!」

まだなにか言いたげな彼を無視してドアを閉めて鍵をかけた。

「七星!
七星って!」

ドアを叩いて龍志が怒鳴ってくるが、耳を塞いでその場にしゃがみ込む。
きっと、今ので嫌われた。
あんな嫌みを言われたら、誰だって不快になるに決まっている。
でも私は、ああ言うしかできなかった。
昨日から、自分の感情がコントロールできない。
だいたい、私は男を手玉にとって弄ぶような酷い女だと気づいたから、それを隠して龍志に嫌われないようにするはずだった。
それがどうだ?
好き勝手に自分の感情を押しつけ、自分から彼に嫌われるようにして。
私はいったい、なにがしたいんだ?

玄関でじっとしていたら、リビングに置いてある携帯が立て続けに通知音を立てた。
それを確認に行く気力すらない。
しばらくして部屋の中が静かになり、ようやく私は立ち上がった。
携帯を手に取り、ため息が漏れる。

「……だから」

そこにはおびただしい量の、龍志からのメッセージが届いていた。
COCOKAさんとはなんともない、彼女には好きな人がいるから気持ちには応えられないと断った。
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