憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
軽く机の上にのりだしていた姿勢を解き、専務は椅子の背に身体を預けた。

「彼女はあの、比べていた会社と契約しているわけではないのか」

「わかりません。
至急、確認を取ります」

もし、あの会社とも契約を結んでいるのならば完全にアウトだ。
それくらい、私にだってわかっている。

「わかった。
我が社の商品への批判は問題にしないでおこう」

彼女は許されたのだとほっとしたものの。

「しかしプロモーション契約は考え直す。
そもそも彼女は以前、情報漏洩で問題になっていたそうじゃないか。
軽微なものでよかったが」

専務の決定はもっともで、返す言葉がない。

「では、詳細の確認と報告を待っている」

それで話は終わり、専務室を出た。

「情報漏洩の問題を起こした時点で、切っておけばよかったんだ!」

部長は部署へと戻りながら怒っているが、確かに彼の言うとおりだ。
あのとき、情けなどかけずに切っていれば、こんな問題は起きなかった。
でも、本当にそれでよかったんだろうか。
自分に問いかけてみる。
ここ最近の彼女はとても素直で、あれ以前とは比べものにならないほど態度もよくなった。
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