憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
こういう説明をするのはいたたまれず、テーブルの上に視線を彷徨わせた。
自分でもわけのわからないことを言っている自覚がある。
呆れられても仕方がない。

「あー、わかった」

顔を上げると少し赤い顔で彼が気まずそうに頬を掻いていた。

「まあ、いきなり同棲だとか言われても困るよな。
少しずつ慣らしていけばいい」

私と目をあわせ、眼鏡の奥で目尻を下げて彼がにっこりと笑う。
それだけで心臓が早鐘のように鼓動し出し、手足をバタバタとさせたくなったがかろうじて耐えた。

食事はそのうちメインが終わり、デザートを待つだけとなった。

「七星」

少し思い詰めたような真面目な顔で見つめられ、どくんと大きく胸が高鳴った。
今日買った指環のケースを、龍志がテーブルの上にのせる。

「いろいろ話せないような事情がある、こんな俺の気持ちを受け入れてくれてありがとう」

真摯に頭を下げられて戸惑った。
この先きっとつらい思いをするとわかっていて、彼を受け入れようと決めたのは私だ。
そんな、お礼を言われるようなことではない。

「えっ、そんな!
やめてください!」

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