憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
そっと、自分の左手薬指に嵌まる指環を撫でる。
義姉さんと結婚しても、これとペアのあの指環は外さないと龍志は言ってくれた。

「えー。
会えないと男なんてすぐに、気持ちが変わりますよ。
友達、遠距離になって一ヶ月も経たないうちに浮気されてましたもん」

「うっ」

「あっ、……すみません」

すぐに言い過ぎたと気づいたのか、彼女が気まずそうに詫びてくる。

「宇佐神課長はそういう男じゃないと信じてるんですけど」

「ううん。
いいよ、いいよ」

気にしていないと首を振った。
身近にそういう例がいれば、そう思いたくなるのも無理はない。

「でも、仕事を辞めてついていくって言わない井ノ上先輩も、私は格好いいと思います!」

「あ、ありがとう」

お礼を言いつつも複雑な気持ちになった。
もし、龍志から仕事を辞めてついてきてほしいと言われれば、私は仕事を辞めていただろう。
私は由姫ちゃんに尊敬されるような人ではない。

龍志は引き継ぎなどでバタバタしていて、私が帰るときには会社にいなかった。
先に帰ろうと電車に乗っていたら、携帯がメッセージの到着を告げる。
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