憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
「七星お姉さまはそれで、納得してるの?」

話を振られ、どう答えたらいいか悩んだ。
本当は離れていても、もう会えなくてもかまわないから、書類の上だけでも龍志と一緒になりたい。
けれどそれは、義姉さんとその子供を守るために彼女と結婚する予定の彼にはできないとわかっていた。
そしてその結婚が、彼が私を永遠に思い続けるために必要なものだというのも理解している。

「はい。
ほら、結婚すると名字が変わって、仕事の実績とかにも関係してくるし。
だったら、無理して出さなくてもいいかなって話しあって決めたの」

できるだけ明るく笑い、納得しているんだと振る舞う。
私たちの気持ちを気づかせてはいけない。

「私、この仕事が好きだし、辞めるとか全然考えてないの。
だから、大丈夫」

「そっかー」

私たちの幸せを見守る会まで発足させたのに、落胆させて大変申し訳ない。

「まあ、井ノ上さんらしいといえばらしいか」

「そうですね、七星お姉さまとさようならだと思うと悲しいですし」

COCOKAさんをはじめ皆、納得してくれたようでほっとした。

「でも、式は挙げたんですよね?」

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