憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
しかし、なんでこれがペアリングではなく結婚指環だとわかったのだろう?
ぱっと見はペアリングにしか見えないのに。

「てか、本当は秘密裏に結婚したんじゃないんですか」

「あー……」

COCOKAさんに詰め寄られ、龍志は長く発したまま止まっている。

「……式だけ、挙げた。
婚姻届を出す前にこんなことになってしまって、よかったのか悪かったのか……」

ははっと小さく笑い、龍志がグラスを口に運ぶ。

「……は?」

そんな彼の顔をその場にいた全員が、見た。

「式を、式を挙げたんですか……?」

「ああ」

「祝いだ、酒持ってこーい!」

「おめでとう、おめでとうございます!」

龍志の返事でその場が騒然となった、が。

「待て。
みんな、待て。
式は挙げたけど、婚姻届は出してないんですよね?」

COCOKAさんに止められ、ぴたっと騒ぎがおさまる。
さらに龍志の返事を、固唾を呑んで待っていた。

「ああ、出してない」

「今後、出すご予定は……?」

「井ノ上は仕事があるし、連れていけないからな。
そうなると出さないほうがいいんじゃないかと思ってる」

< 490 / 505 >

この作品をシェア

pagetop